加地野です。今回はコラム形式で、個人的な趣味を絡めた考察を綴っていこうと思います。
かつて四足歩行だった人類が長い時間を経て二足歩行へと進化したように、パチスロも人類の歴史に比べればちっぽけなものではありますが、着実に進化してきました。 MAXベットという概念すらなかった時代から、50枚クレジット機能がついたり、4thリールが搭載されたりと、大幅な変化を遂げていくのですが、一番の変化と言えばやはり液晶画面でしょう。 リールとストップボタンさえあればパチスロ機として成り立っていた時代から、もっとわかりやすい視覚的な楽しみを与えられる時代へ――。 新たな可能性を示してくれた液晶画面こそが、のちに業界に新たな風を吹き込むこととなる『萌えスロ』の基盤となったのです。 【元祖萌えスロの登場は10年以上前】
いわゆる『萌えスロ』の元祖として扱われることが多いのが、NETから2003年に発売された『スーパーブラックジャック』で、この作品で初登場することとなるオリジナルキャラクター『Rio』は2014年現在でもパチンコ・パチスロ台の主役として活躍するなど、この業界において確固たる地位を築いています。
私はまだその頃パチスロには触れていなかったので、どのような評判だったのかもわかりませんが、古くからのプレイヤーにとっては受け入れがたいものだったのかもしれません。
「パチスロは滑りとリーチ目なんだよ」 私にパチスロを教えてくれた人は、よくそんなことを言っていますが、実際私も同じことは思います。でもそれが全てではないとも思っています。 ともあれ液晶画面が搭載されたことにより『萌え』を含む様々な可能性を生み出したパチスロは、液晶演出の全盛時代へと突入していくのです。 パチスロを打ったことがなくても名前は知っているであろう機種がパチスロ『北斗の拳』ですね。当時中学生か高校生だった私にとってもなぜか馴染み深いタイトルで、その理由を考えてみると、某週刊のゲーム雑誌で売り上げランキングの上位に常に名前があったからでした。 他にもこれまた一種の社会現象を起こしたパチスロ『吉宗』や、販売台数では『北斗の拳』に次ぐ数字を叩きだしているパチスロ『押忍!番長』も含めて、液晶演出が搭載されています。 出玉に直結する演出が、画面上で音声付きで動いているということは、プレイヤーを飽きさせないための努力の結晶であり、また出玉がない間でも楽しめるようになったという功績があると思います。 【勝利の女神的な存在だった『Rio』】
さて、しかし今回はパチスロ全てではなく、あくまでも『萌えスロ』に焦点を当てて――ということなので、話を元に戻しましょう。 『Rio』というキャラクターの登場により、可愛いキャラクターを見るためにパチスロを打つという可能性が生まれました。『スーパーブラックジャック』に関してはスペック自体がウケたというのも大きいのでしょうが(笑)。
オリジナルキャラクターといえば、他にも『ボンバーパワフル』シリーズの『夢夢ちゃん』や『麻雀物語』シリーズの『風上三姉妹』などがいますが、これらも2013年に新作が発売されるなど根強い人気を誇っているという事実を考えると、やはりこのジャンルを拓いたことは正しかったのだろうと思いますね。 いつの時代も、可愛い女の子が動いたり喋ったりしているのは、見ているだけで幸せになれるものです。 ましてそれをしながら脳が痺れるようなギャンブルができるのですから、思い入れも一層強くなるのは間違いないでしょう。 『スーパーブラックジャック』においては、主人公と位置づけられていながら常に画面上にいるわけではない『Rio』なのですが、逆に出てくる時というのは大抵プレイヤーにとって嬉しい事が起きる……或いは起きている時です。 ボーナスゲーム中であったり、ストックタイムというボーナスそのものをストックしていくゾーンで姿を現し、またその際にRioの表情や仕草によって期待度が変わり、投げキッスだと高期待度などその表情と比例して嬉しいことが起きるので、プレイヤーにとってますますRioという存在が大きくなっていくというわけです。 現在稼働している機種の中にもそのように登場すること自体が幸せの予感を示唆しているようなキャラクターもいますが、やはり『スーパーブラックジャック』における『Rio』の存在はその先駆けでしょう。 しかし、残念ながら業界においては『異端』な存在であったために、この時点では歴史を作るとまではいきませんでした。では『萌えスロ』はどのように今の地位を確立していったのでしょうか。
今回はこのあたりで。次回に続きます!