お笑い芸人『そうじゃねえだろ』さんインタビュー~後編~

こんばんは、麻井のんです。 今回で、『そうじゃねえだろ』さんインタビューも最終回です。 今回はお二人が“芸人”という職業でやりがいを感じたことや、ネタができるまで、さらに普段のお二人にも迫ります! —————————————–

-「芸人としてやりがいを感じたエピソードなどはありますか?」 西山「やりがい、ですか……」

-「はい。すごく小さい子も楽しそうにしてくれたとか、そんな感じの話などでも!」 西山「あ、まさにそれあります!ライブに出た時なんですけど、若い女の人とか同世代の男の人に喜んでもらえる前提で作ったネタをやっていたんですよ。そしたら帰りに10歳の男の子に、『面白かったです!握手してください!』って言われたことがあって。その時は他の層に目を向けたネタじゃなかったですし、バンバン下ネタとかも言ってたので(笑)、たぶん意味はわからなくて、雰囲気で笑ってもらったんだと思うんですよ。で、俺がお笑い見始めた当初、漫才に出てくる単語もわからず雰囲気で笑ってたんですよ。わからないけど、でもなんか面白い、みたいな。それを思い出してその男の子に自分に重ね合わせたというか、自分が10歳の時に思っていたことを、俺はこの10歳の男の子に思わせられたんだ、っていうのがめっちゃ嬉しかったです」

-「自分が思ってたことをまた自分ができるってすごく達成感ありますね!仁木さんは?」 仁木「たぶんネタだけでやってたらここまで感じることはないんでしょうけど、自分のつくるものが、別のコンテンツにのっかっていって、発信されるって、「これけっこうすごいことだな」って。 その、やってたからいろんな人に「これやってみないか?」って言われることが嬉しいというか、つながりができるというか、これは普通に生きてたらないことだなって」

-「いろんな経験ができたわけですね」 仁木「あとは単純に顔を出して言いたいことを言えるっていうことですね。何かを言った時に自分の印象付きで、「あの人はこういってる」って思ってもらえるというか。それに発信したことがプロフィールとしてのったり、それはファンの人にきざんでいかれたりするのは嬉しいです。あと、気持ち的な問題ですけど、言いたいことを言った時にちょっと公式感が自分のなかで感じるっていうのがでかいですね。普通に大学に行っててTwitterで言いたいことを言ったところで、それは多分普通の愚痴みたいな感じになっちゃうんでしょうけど、“公式感”が自分のなかであるだけで、意識が高まるなって」

-「何かお仕事をしていく上で、“意識”ってとても大事ですよね。成功できるかどうかにも関わってきたり、足を踏み外さないために必要だったり……。そういえば、芸人さんのタブーとかってあるんですか?」 西山「タブーですか……。お笑いではあんまり聞いたことないですかね」 仁木「まあ役者さんとかにあるかっていうのもわからないですけど(笑)」

西山「本当にもうクスリくらいですかね、やるなって言われてるのは(笑)」 -「それは人としてタブーですね!(笑)」 仁木「やるなって言ってた人が言うには、『もの作る上でクスリは通っていきやすい道だ』と。ものを考える職業の人は、作家とかミュージシャンとか、やってる人が多いらしいので……だから芸人も気をつけろみたいな(笑)」 -「ストレスも多そうですしね……。まあそれは人としてタブーですからね(笑)ちなみにネタはどちらが作ってるんですか?」

西山「二人で作ってます」 -「どういう時に思いつくんですか?」 西山「なんか見た時ですね」仁木「ネタ作ろうって決めてからネタができるっていうのはあんまりなくて、偶然でしかできないですね。『ネタ作ろう』って意志ではじめて、できたことはほとんどないです(笑)」 -「そんな偶然どんどん思いつくものなんですか?」 西山「ずっと小学校の頃からネタ帳を持ち歩いていたので、それで“普段生きてる中でそういうものを見つける”っていうのは割と訓練されてたなって思います」 -「ライブのネタも記事のネタもあるんですよね?それはどう使い分けをしているんですか?元の“笑いの種”を見つけて、そこから派生していくんですか?」 仁木「ネタができた時点で、『これは記事向けのものだな』とか、『これはネタでやりたいな』とか、そこはわけてます。最近はちょっとずつそこらへんのジャンル分けはできるようになったのかなって思ってます(笑)」

-「ちなみにそういった、ネット上で記事を書いたりする活動ですが、そこに至るまではどういう経緯があったんでしょうか?」 西山「それはもう全部仁木のTwitterです。TwitterのDMで」 -「DMで、ですか?」 西山「仁木のTwitterが、『オモコロ』をやってる人の目についたんです。それからその人にDMを送って、飲んで、『ぜひ入れてください!』と」 -「売り込みをしたというわけですね!ちなみにネットって『ウケてるな』って手応えはあるんですか?」 西山「フォロワーが増えたり、RTされたり、お気に入りされたりとか、そういうことじゃないですか?俺はあんまりわからないけど。どうなの?(仁木さんに向けて)」 仁木「でもほんとにウケたっていうのは、1000とかですかね……。100とか500くらいだと、3000~5000人くらいフォロワーがいれば、ほとんど意識せずRTしたりお気に入りにしたりするのもあると思うんですよ」 西山「相槌みたいなね」 仁木「だから、そういうのは『これ面白いな、覚えとこう』って少ないのかなって思うんですよ。だからフォロワーの数がある程度多かったら100とかだとちょっとわからないですね」 -「そこで、目安として1000くらいなんですか?」 仁木「そうですね、お気に入りとかRTが1000くらいいったら『ちょっと話題になったな』って思えます。まあなったところで、そういうのってTwitterに溢れてるので、そこからどう残っていくか、それをどう利用していくかは全然違うと思いますね。“ネットで売れる”ってことは、記事とかでもちゃんと面白いことやらなきゃって思ってますね。Twitterで売れるっていうのは、きっかけでしかないと思うので、それに頼るっていうのは厳しいと思いますね」 -「仁木さんのTwitterを見ましたが、絵ネタもけっこう出してますよね」 仁木「そうですね。イラストは出してった方がが便利っていうか、『こういうこともできる』っていうのも出していきたいなって。直接言葉でアピールするのはちょっといやらしいですし(笑)」 -「絵ネタっていうのはどうやって思いつくんですか?ネタが出てきて、絵を当てるんですか?それとも先に絵が浮かぶんですか?」 仁木「先に絵がでてきて、ですね。だいたいは普通の光景を見て、『これがこうだったら面白いな』ってなにかに置き換えたりして。たとえば、えーと、ニュースキャスターがニュース読んでて、原稿が横から来るじゃないですか。その原稿がラーメンとかで、キャスターがすすってたら面白いな、とか。そうやって置き換えて描くみたいな感じですね。だから文章から浮かぶことはほとんどないですね。文章から浮かぶものってほとんどダジャレとかになっちゃうので」

-「お二人は普段なにをして過ごしてるんですか?」 西山「お笑い見て、ゲーセン行って。でもゲーセンは金ないから最近行ってないです(笑)お笑い見て、人と話して、ですね」 仁木「僕は、アイドルのイベントとかDVDとか見てます。ハロプロとかですね。モー娘。とか……」

-「おお!モー娘!たしか最近“14“とかつきましたよね!(笑)」 仁木「ええ、『ワンフォー』に……(笑)基本無趣味なので、1個ハマっちゃうと、それだけになっちゃうんですよ(笑)」

-「お二人ではあまり遊ばれないんですか?」 西山「そうですね、若干遠いので。仕事でいつも一緒ですし(笑)」

-「最後に、芸人を目指す人に対して何か一言頂けますでしょうか。あとは、何か言いたいことがあれば!」 仁木「うーん、いろいろありすぎて難しいですね(笑)あ、でもテレビ見てくださいってことですかね(笑)今の人たちに言いたいです」 -「今の人たち、とは?」 仁木「今、テレビが面白くないって言われてますけど、テレビってもっと面白いんで。面白くない番組を見て、そう言ってるだけなんで」 西山「面白くない番組って昔からずっとあるからね」 仁木「でも、本当は面白いことがいっぱいあるんで、テレビ。そこから学ぶことが僕らもたくさんあるんで。だから『つまんない』ってだけは言わないで欲しいですね。『テレビは面白くなくなった』と」 西山「ちゃんと見ればめっちゃ面白いテレビってやっぱりあるんで」 仁木「みんなに、もっと面白いテレビを見て欲しいです」 -「“面白さ”をもっとテレビにも求めて欲しいと。なるほど!西山さんは?」 西山「じゃあ俺からは、一言『お互いがんばりましょう!』で(笑)」

——————————————— 全3回にわたってお送りした、『そうじゃねえだろ』さんのインタビュー、いかがでしたでしょうか? お話を聞くと、お二人のお笑い愛と、“芸人”という職業に対するこだわりが伝わってきましたが、それがそのまま読者様にも伝われば幸いです。 『そうじゃねえだろ』さん、ありがとうございました!